小嶌 久美子さんに話を聞きました。コワーキングスペースの研究をしたり、東京と京都の二拠点生活したり、旅館のリブランディングをしたり、お坊さんの法話の研修の講師をしたり、一言では語れない小嶌さん。

忙しい毎日に、足を止めて、「大事なことってなんだろう」って考えたくなるインタヴューになりました。

会社員とフリーランスって同じ？

小嶌
わたしはマスダさんがやりやすいように喋りたいので、緊張しないで大丈夫ですよ。

マスダ
ありがとうございます。では、今、やっていることを教えてください。

小嶌
今やっていることー、、、なんでしょうね（笑）

マスダ
いろんなことをやっているかと思うんですが（笑）。

小嶌
今は 、本の執筆依頼をいただいているのですが、筆がなかなか進まなくて。他のことで言えば、最近、自分がなにをしているのかわからなくなっちゃって（笑）。

わかりやすく言うのであれば、会社員をフリーランスでやってる感じなのかな。

マスダ
会社員をフリーランス、、、

小嶌
すごい矛盾したようなことを言ってるんだけど、会社員の人が毎日会社でやるようなことを、フリーランスでやっていて。 会社員の仕事の時間って、切り分けたら３つになると思ってて。メールや電話などの連絡と、商談や打ち合わせと、資料作成の３つに。

マスダ
考える時間は、どこに入りますか？

小嶌
どれも考えなきゃだけど、考える時間は資料作成の時間ですね。仕事の時間はこの３つしかないと思っていて、それをフリーランスでやっている感じかな。

マスダ
なるほど、フリーランスになる前は何をやっていたんですか？

小嶌
リクルートでブライダル事業「ゼクシィ」に勤めていて、事業戦略や、広告の企画や営業をやっていて、結婚写真をもっと普及するために見せ方を工夫することなどをやってましたね 。職人や研究員などの専門職じゃないかぎり、会社員ってメールかミーティングか資料作成と同じことしかやってないなあって思っていて。今もやっていることは、その３つですね。

マスダ
では、久美子さんの中で会社員とフリーランスで、仕事に大きな違いはない。

小嶌
なーいですね。

マスダ
フリーランスになって変化したことはありますか？

小嶌
仕事のもらい方が変わりましたね。会社にいたら「このクライアントに営業してこい」とか、指示されたものをやったらお給料をもらえる。出勤して言われたことをやっていれば、営業して契約が取れなくてもお給料をもらえる。でも、フリーランスの場合は自分で仕事を見つけてこなければいけない。

マスダ
そうですよね。フリーランスのほうが、たいへんじゃないですか？

小嶌
でも、やりたくないことをやらなくていいから。

朝起きたくなかったら、起きなくてもいいし。調子のわるい日は午前中寝っ転がりながらスマホで返信して、午後に資料作成もできるんで。

マスダ
最初にフリーランスとして働こうと思ったのも、やりたくないことをやらなくていいからですか？

小嶌
フリーランスになろうと全然思ってなくて。リクルート辞めたときは、65歳で定年退職して老後の楽しみをするよりは、31歳で今の楽しみをしちゃったほうがいいと思った。

65歳ではじめて時間とお金が自由になるって、すごい不自由でナンセンスだなあって思って。24歳から31歳まで７年間で３社を経験してきて、汎用性のある仕事力が身についたから、ここで１回辞めてもいいかなあと。

１回辞めて自由な時間ができて、貯まったお金の中から400万円を口座に移して、この口座がゼロになるまで自分の好きなことをやっていいことにしようと思ったんです。

マスダ
おお、おもしろいですね。

400万プロジェクトをはじめます

小嶌
「400万円を使い切るまで自由に生きていい」っていうプロジェクトをやろうと思って、辞めました。

マスダ
ちなみに、なんで400万円にしたんですか？

小嶌
感覚的なところもあるんだけど、理由をつけるとすれば、雑誌の『日経ウーマン』にわたしの年代の平均貯蓄額が載っていて、平均よりもわたしは400万円多く貯蓄してるから、400万円を１回使い切ってもいいのかなあって。

マスダ
ああ、なるほど。

小嶌
400万円使い切っても平均貯蓄額は残ってるから、400万円使いきった後に就職、転職すればいいのかなって。

マスダ
その、400万円プロジェクトはどのように進んだんですか？

小嶌
逆に、400万円あったら、何しようと思います？

マスダ
ぼくも久美子さんと近い感覚があって、それに近い額で29歳のときに1年半旅行しました。両親が65歳を超える年齢なんですけど体力なくなってて、自分が65歳になってからじゃ健康に旅できないなあと思ったのも理由のひとつです。

小嶌
わたし「400万プロジェクトをやります」って言って会社を辞めて、「何しよう？」となって。全然世界一周したくないし。美味しい物を食べ歩きしたいわけじゃないし。エステに行きたいわけでもないし。

当時、沢山の中国人が日本に爆買いに来ていて、今中国で何が起きてるかを見たかったから、とりあえず、10日ほど中国に行ってみました。中国の上海、広州、深圳に友だちが住んでいるから、そこに話を聞きにいきました。

あとは、京都に１ヶ月滞在しました。両親が関西出身で、京都には年末年始とお盆しか行ったことがなかったから、桜と紅葉の季節の京都を知らなくて。当時１月末で仕事を辞めてたから、桜の季節に１ヶ月滞在したいなあって。

いろんなゲストハウスとか、アートホステルとかに３泊から４泊ずつ、いろんなところを泊まり比べして滞在したのが３年前なんですよね。

マスダ
京都では、日常何をしてたんですか？

小嶌
お寺回ったりと、カフェ行ったりとか、プラプラ観光してました。

実は、京都に行くってことと一緒にやっていたことがあって。

「２月から会社員じゃない、でも400万円使い切らないといけない。400万円どうやって使おう？」って、めっちゃネットサーフィンしてたんです。

マスダ
まあ贅沢な話ですね（笑）。

小嶌
自分がなにをやりたいのか、ちょっとよくわからなくなっちゃって。

気がついたら「Wantedly」っていう求人サイトに辿り着いてて。あれっ、会社辞めたばかりなのに、なぜかわたし求人サイト見てるって（笑）。

マスダ
それは、不安という感覚から辿り着いたわけじゃないですよね？

小嶌
たぶん、時間をもて余してて、「自分は何をしたいのかなあ」って思ってたら、仕事の求人サイトを見ていて。そのとき、わたし会社員じゃないんだから、自分の興味ある会社の仕事を３つくらい掛け持ちしようかなあって思ったんです。

「Wantedly」で自分のやりたいなあって思う仕事を４つ見つけて、「Wantedly」の応募ボタン「話しを聞きにいく」を押して、「わたしは正社員にはなりたくないんですけど、御社の求人のこういう部分はわたしはこういう経験があるからできると思います。だから部分的に業務を委託していただけるのであれば、会いませんか？」って。

マスダ
そこから、ただ話を聞かせてくださいじゃなくて、働くモードになってるわけですね？

小嶌
「３分の１人分のわたしを雇いませんか？」っていう交渉をして。そのうちの１社がここなんですよ。

マスダ
えっ、ここのコワーキングスペース（渋谷にあるPoTAL）？

第２回／京都はおもしろいですよ

感想を送る／小嶌さんにエールを送る

Facebook 小嶌 久美子
https://www.facebook.com/kumiko.angel.kojima

Instagram @kumiko_cwkspace
https://www.instagram.com/kumiko_cwkspace/